仕事柄、企業において
人事部の必要性を
考えたりします。
人事部を客観的にみると、
直接的には会社の業績に
貢献することができません。
つまり、
お金を生む部門
ではないということ。
間接的に見れば、
求める人材を採用し、育成してく。
その人たちが
育っていくことで
業績にも貢献していく。
しかし、中小企業は
本業がしっかりしない限り、
人材採用や育成に時間を
かけることができないと
思われている方も
多いことでしょう。
かと言って、
人事の体制づくりを
後回しにしていいのか?
もし、
人事の体制づくりをしなければ、
企業として、
永続的に発展していくことは
難しくなることでしょう。
では、どうすればいいのか?
シンプルに言うと、
人事の体制づくりを
組織が大きくなる前に着手して、
人事部がなくても自然に回る
仕組みを整えることができたら、
後は、必ずしも人事部は
なくてもいいと私は思っています。
では、
人事部がなくても回る組織とは、
具体的にいうと
どんなものなのでしょうか?
それは、
「現場で人が育つ仕組み」
にするということです。
各現場の管理職に
人を育てることを
ただ丸投げしている
状態とは違います。
現場で育てる仕組みを
つくった上で、
現場の人材を
育てることになります。
ではここで、
現場で人材を育てる
仕組みづくりについて、
1つ事例をご紹介しましょう。
それは、
「新人にアウトプットさせる仕組み」
をつくることです。
アウトプットを
OJTの中に組み込んでいくと
人が育っていく仕組みになります。
(※On-the-Job Training
[オン・ザ・ジョブ・トレーニング]
職場で実務をさせることで
行う人材育成手法のこと)
一番導入しやすいのは、
「新人にマニュアルを
つくってもらう」
ことです。
「マニュアルをつくる」ことを
仕事として命じれば、
聴いたことをメモし、
スマホで写真を撮るなど
真剣にやらなければなりません。
それを何かしらの形で、
アウトプットすることによって、
仕事の内容を理解し、
記憶にも定着しやすくなります。
新人が辞めてしまう原因の多くは、
「仕事がわからないのに
聴く相手がいない」
「相談に
乗ってもらえない」
「聴く人によって話が違う」
などです。
新人にマニュアルを
つくってもらえれば、
こうした新人が
抱えやすい問題を
未然に防ぐことができます。
一般的には、マニュアルは
仕事を熟知しているベテランが
つくるものと考えられています。
確かに、ベテランは
仕事に精通しているので
良いマニュアルが
できそうに思えます。
ところが、
ベテランは自分は
仕事ができると
思っているため、
新人がどういうところで
つまずくのかわからず、
マニュアルとしては
不完全なものになりやすい。
一方、
新人にマニュアルをつくらせると
わからないことが多い新人がつくるので、
わからない人に向けた良いものが
できあがります。
更に新人が仕事を
覚えるのも早くなり、
定着率も上がってきます。
これが
「現場で人を育てられる
仕組みづくり」が
意味するところなのです。
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Profile
1971年 島根県生まれ。
大学卒業後、大学進学予備校、人材派遣会社、「戦略的目標達成プログラム」に代表される研修会社アチーブメント株式会社を経て、住宅メンテナンス会社の株式会社バーンリペア(キャンディルグループ)に入社。
人材採用・育成・風土づくりの3つを担う「ヒューマンサポート部(人事部)」をゼロから立ち上げる。